民泊物件事例7選|3物件運営の宅建士が選んだ立地の実体験2026

民泊物件の事例を探している方に、宅建士・AFPとして都内3物件を運営する私が実体験を公開します。「立地さえ良ければ稼げる」という話はよく聞きますが、実際には用途地域・管理規約・180日ルールの兼ね合いで選択肢は大きく絞られます。この記事では7つの民泊物件事例を通じて、インバウンド民泊で収益を出すための判断軸を具体的に解説します。

民泊物件事例の全体像:7つの事例が示す共通パターン

事例を読む前に知っておきたい「民泊物件選びの三層構造」

私がこれまで検討・取得・運営してきた物件を振り返ると、民泊物件選びには三層構造があると感じています。第一層は「法的に運営できるか」、第二層は「インバウンドゲストが来るか」、第三層は「収支が成り立つか」です。この順番を崩すと大きな損失につながります。

住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行された2018年6月以降、届出なしで運営できる物件はゼロです。私自身、浅草エリアで運営を始めた際に所轄区への届出・管理規約の確認・消防設備の整備に2か月弱かかりました。この準備期間を甘く見て物件を先行取得すると、その間の固定費が丸ごとロスになります。

7つの事例が示す立地×法規制×収益のマトリクス

以下の7事例は、私自身の運営物件3件と、同業の民泊オーナー仲間・宅建士として相談を受けた案件4件をベースにしています。個人情報・物件住所は伏せますが、数値感・判断ロジックはできる限りリアルなものを記載します。

  • 事例①:浅草エリア・1K・月売上32万円(私の運営物件)
  • 事例②:台東区隣接・1LDK・月売上21万円(稼働率改善中)
  • 事例③:新宿区・ワンルーム・届出却下で頓挫(失敗例)
  • 事例④:葛飾区・戸建・月売上14万円(ファミリー向け)
  • 事例⑤:墨田区・マンション・管理規約で撤退(失敗例)
  • 事例⑥:渋谷区・1K・月売上38万円(繁忙期偏重型)
  • 事例⑦:品川区・2LDK・月売上26万円(法人利用×観光ミックス)

収益幅は月14万円〜38万円と広く、この差を生む要因は「立地」だけでなく「運営設計」にあります。次のセクションから順に解説します。

都内3物件の立地選定基準:私が実際に使った判断軸

浅草エリアを選んだ理由と、検討から届出完了までの流れ

私が浅草エリアを選んだ理由は三つあります。一つ目は外国人観光客の回遊性の高さで、浅草寺・仲見世・隅田川の観光動線が重なるエリアは、OTA(宿泊予約プラットフォーム)での検索ボリュームが通年で安定しています。二つ目は用途地域が商業地域・準工業地域を含み、住宅宿泊事業の届出に対して比較的柔軟な行政対応が期待できた点です。三つ目は、当時の中古区分マンション相場が港区・渋谷区と比べて2〜3割程度低く、投資対効果を計算しやすかった点です。

届出完了までに用意した主な書類は、住宅宿泊事業者届出書・間取り図・管理規約の写し・消防法令適合通知書の4点です。区の窓口に2回足を運び、届出受理まで約6週間かかりました。この間に清掃代行業者との契約・スマートロックの設置・OTA登録を並行して進めることで、受理後すぐに初予約が入る状態を作っておきました。

「駅徒歩10分以内」だけでは足りない:外国人視点の立地チェック項目

宅建士として物件を見る時、日本人投資家向けの基準では「駅徒歩10分以内・築20年以内」が一つの目安です。ただし、インバウンド民泊では追加で確認すべき項目があります。

私が現地確認時に必ずチェックするのは次の4点です。①空港直通路線または乗換1回以内のアクセス性(成田・羽田どちらからも)、②夜間の騒音環境(外国人ゲストは夜遅い到着が多い)、③コンビニ・スーパーまでの徒歩距離(英語メニュー対応が望ましい)、④スマートロック設置可能な玄関構造かどうかです。

特に④は見落とされがちで、事例⑤の墨田区マンションは管理組合がスマートロックの設置を禁じており、有人対応が前提になった時点で採算が合わなくなりました。物件取得前に管理規約を一字一句確認することは、宅建士として自分自身に課しているルールです。

月30万円の売上構造:インバウンド民泊の収益事例を分解する

事例①浅草1Kの売上32万円はどう作られているか

私が運営する浅草エリアの1K物件(専有面積約28㎡)の売上構造を公開します。月の稼働日数は180日ルールの上限に近い水準を繁忙期(3〜5月・10〜11月)で消化し、閑散期は稼働日数を抑えながら単価を上げる戦略を取っています。

売上の内訳はざっくりと、1泊単価が平均9,000〜12,000円、月間稼働泊数が25〜30泊の月が繁忙期のピークです。これに対して固定費は、管理費・修繕積立金・清掃代行費・OTA手数料(売上の約15〜20%)・スマートロック維持費などを合わせて月12〜15万円程度かかります。結果として手残りは月15〜20万円前後ですが、これは物件取得コストを除いた運営ベースの数字です。

民泊収益事例として「月30万円の売上」を広告で見かけることがありますが、売上と手残りは別物です。固定費・変動費の両方を把握した上で投資判断をするべきです。民泊物件取得の流れ7工程|宅建士が3物件で実践した実体験2026

事例⑥渋谷区1K・月売上38万円の「繁忙期偏重型」が抱えるリスク

渋谷区の事例は月売上38万円と数字が大きいですが、売上の60%超が3月・4月・10月の3か月に集中しています。閑散期(7〜8月の猛暑期・1〜2月)は稼働が落ち、月売上が8万円台になる月もありました。

この偏重型の問題は、固定費が平準化している一方で収入が波打つことで、キャッシュフロー管理が難しくなる点です。私はAFP(日本FP協会認定)の立場から、運営初年度は月次キャッシュフロー表を必ず作成することを強くすすめています。収支予測は税理士や会計担当者と定期的に照合し、確定申告・決算の数字と照合することが重要です(確認は税理士または所轄税務署へ)。

失敗した物件選びの教訓:私が経験した3つのミスと回避法

法人住民税均等割7万円を見落とした話

2026年に法人を設立した際、民泊事業の収益を法人で受け取る設計に切り替えました。その時に税理士との顧問契約を締結し、初回面談で最初に指摘されたのが「法人住民税の均等割」です。東京都内で法人を設立すると、利益の有無にかかわらず年間で都民税均等割と特別区民税均等割を合わせて最低7万円程度が発生します。

私は個人事業主時代にこのコストを試算に入れていなかったため、法人化初年度の収支計画を修正することになりました。税理士に指摘されなければ、決算時に驚いていたはずです。法人化の節税効果は個別の事情により異なります。法人化を検討する際は、必ず税理士に試算を依頼することをすすめます。

民泊物件選びと並行して法人スキームを設計する際は、設立コスト・均等割・顧問料(月額1.5〜3万円程度が相場感)を含めた総コストで判断するべきです。最終的な税務判断は税理士または所轄税務署へ確認してください。

管理規約の見落とし・用途地域の誤認:事例③⑤の失敗パターン

事例③の新宿区ワンルームは、物件取得の直前に「住居専用地域における月60日制限の条例」の適用範囲に入っていることが判明し、計画を中止しました。私が関わったケースではありませんが、宅建士として相談を受けた案件です。用途地域が第一種低層住居専用地域に指定されている物件は、自治体によって民泊の運営日数がさらに制限される場合があります。物件取得前に行政窓口で確認することは、コストゼロでできるリスクヘッジです。

事例⑤の管理規約問題はすでに触れましたが、この失敗から私が学んだのは「重要事項説明書の民泊可否欄だけでなく、管理規約の原本を読む」という習慣です。宅建士の資格を持つ私でも、売買契約前に管理規約を全文確認するのに2〜3時間かかることがあります。それでも取得後のトラブルを考えれば、この時間は惜しくありません。民泊物件初心者の選び方|宅建士が3物件で実証した7軸2026

インバウンド需要の見極め方とまとめ:物件選びの判断軸を整理する

2026年時点のインバウンド民泊市場で使える5つのチェックポイント

2026年現在、訪日外国人数はコロナ前の水準を超え、都内の民泊市場は再び活性化しています。ただし、需要の高いエリアに物件が集中することで競合も増えています。私が物件選びの最終判断に使っているチェックポイントをまとめます。

  • ①OTAでの周辺物件の稼働状況を直接確認する(空き状況・レビュー数・評価点)
  • ②観光地・交通ハブからの所要時間を外国人視点で測る(荷物を持った状態で)
  • ③住宅宿泊事業法の届出受理実績がある物件か、類似案件で行政相談済みか
  • ④管理規約・使用細則に民泊・短期賃貸の禁止条項がないか
  • ⑤固定費(管理費・修繕積立金・清掃代行・OTA手数料)を加味した収支シミュレーションを作成済みか

この5点を全てクリアした物件だけを候補に残すと、選択肢は相当に絞られます。それでも残った物件が、安定して収益を出せる「本物の民泊物件」です。

民泊物件事例から得られる結論と、次のアクションについて

今回紹介した7つの都内民泊事例を振り返ると、収益を出している物件に共通しているのは「法的クリアランス→立地のインバウンド適性→運営設計の順番を守っている」という点です。月30万円前後の売上を出している事例は、いずれも初期の確認作業に時間をかけています。

一方で失敗事例(事例③⑤)は、物件の魅力に先に引き寄せられて法的確認が後回しになったケースです。宅建士の私でも、魅力的な物件を見ると「何とかなるだろう」という気持ちになることがあります。だからこそ、チェックリストと専門家への確認を手順として組み込んでいます。

民泊運営の実務、特に清掃代行・OTA管理・ゲスト対応の効率化については、専門の運用管理サービスを活用することで稼働率と評価点を維持しやすくなります。自分一人で抱え込まず、得意な専門家・サービスに任せる部分を明確にすることが、事業を継続する上で重要です。

個別の運用設計・物件相談については、まず専門のサービスに相談することをすすめます。

民泊運用管理を相談する

筆者:Christopher(クリストファー)/AFP(日本FP協会認定)・宅地建物取引士。2026年に自身の法人を設立し、税理士選び・顧問契約・決算までの実務を自ら経験。大手生命保険会社2年、総合保険代理店3年を経て、個人事業主・富裕層・経営者の保険×税務相談を多数担当。現在は東京都内で法人を経営し、浅草エリアを中心にインバウンド向け民泊事業を複数物件で運営中。住宅宿泊事業法・民泊新法・180日ルールの実運用経験に基づき、民泊物件選び・観光投資のリアルを発信している。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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